1961 年 3 巻 8 号 p. 590-597
3% DBSA-(1:1)ジエチルエーテル・酢酸エチル溶液-塩酸系について,約60種の元素の抽出を放射化学的に研究した。
有機相・水相間の分配比を酸濃度0.01~2.0Nの範囲で測定した。この際,分配比のacid dependenceは前報に指摘したような特長を示した。
(a) DBSA抽出では, Kd値は抽出される無機陽イオンの価数によって影響される。
(b) DBSAは陰イオンの抽出に有効でない。
(c) Kdの絶対量は一般に高からず低からず,測定に便である。
さらに, DBSA抽出と陽イオン交換間の類似性ならびにDBSA抽出が水溶液中の無機陽イオンの価数推定に有効であることが明らかにされた。