日本原子力学会誌
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解説
ラドン研究の最前線と住居内ラドン濃度規制の動き
山田 裕司
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2005 年 47 巻 4 号 p. 260-265

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抄録

 ラドンは, 16世紀の古くから中央ヨーロッパの鉱山における鉱夫の「山の病気 (Bergkrankheit) 」を発端として研究が綿々と進められてきたが, 現在においても依然多くの課題を残している。近年は, 住居におけるラドンが一般公衆においても肺がんの原因の一つとなっていることが指摘され, 住居内ラドンの調査研究も盛んに行われてきた。また, 最近の国際放射線防護委員会 (ICRP) では, 自然放射線による被ばくからの防護の問題も重視され, 自然起源の放射性物質 (NORM) や住居内ラドンが規制の対象として想定されるなどその重要性が増している。このような状況の中, 2004年はラドンに関する国際会議が2件続けて開催された。本稿は, これらの会議の内容を中心に, ラドンに関する最新の研究と社会的・行政的な動きについての現状を紹介する。

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© 2005 一般社団法人 日本原子力学会
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