日本原子力学会誌ATOMOΣ
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解説
我が国のカザフスタン向け原子力外交の本質と展望
ウラン権益確保の裏に隠されたカザフスタンとの原子力協力の真の戦略性とは何か?
香山 弘文
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2007 年 49 巻 8 号 p. 543-547

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抄録

 原子力ルネッサンスは原子力平和利用の世界秩序を大きく変えた。特に,世界第2位のウラン資源埋蔵量を有し,核燃料サイクル産業の高度化を目指すカザフスタンへ世界の関心が集まっている。

 1昨年から本格化した我が国の対カザフスタン資源外交は,激化するウラン獲得競争下で,ウラン安定供給確保や原子炉マーケティングにおける燃料供給とのパッケージ化戦略を目指す我が国原子力産業界の動向と歩調を合わせ戦略的に展開された。

 本年4月末の甘利経済産業大臣率いる官民ミッションについては,日本のウラン総需要量の3~4割の権益獲得という資源外交としての成果のみが脚光を浴びているが,より深い本質的な意義がある。

 それは,我が国電力会社のロシアを巻き込んだユーラシアにおける新たな核燃料供給ルート確立,および我が国原子炉プラントメーカーによる世界の原子炉新規建設受注獲得を睨んだカザフスタンとの提携深化の橋頭堡が築かれたことである。

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© 2007 一般社団法人 日本原子力学会
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