2009 年 51 巻 1 号 p. 26-31
エネルギー安全保障と地球温暖化対策の観点より,G8洞爺湖サミットにおいても世界の持続的発展に貢献する原子力が改めて期待されている。しかし,足元を見ると,不確実性が議論となる処分地選定問題など,原子力への不安・不信感に対する課題は未解決のままである。
東京工業大学では,5年間の21世紀COEプログラム「世界の持続的発展を支える革新的原子力」において原子力の社会受容に関する研究を実施した。平成20年3月に終了したCOE活動のうち,「原子力と社会の共進化」研究および関連した教育研究活動の成果を紹介するとともに,得られた知見から,社会に信頼される原子力を目指すための今後の取組みについて述べる。