2010 年 52 巻 12 号 p. 806-810
日本製鋼所は1907年,天然の良港を持つ北海道室蘭市で,主に砲身と防弾鋼板を国産化する民間最大の兵器会社として創業を開始した。終戦後,これら製造技術が原子力機器用材料等の製造へ受け継がれた。1970年以降,一貫して原子力発電機器の構造健全性向上を目的に大型・一体化鍛鋼品の製造技術開発を継続してきた。現在,室蘭製作所では原子力ルネッサンスを迎え,世界最大の600トン鋼塊から第三世代炉と呼ばれる各種原子炉圧力容器部材の製造が盛んに行われている。