2011 年 53 巻 10 号 p. 675-677
福島第一原子力発電所1号機の設置許可が出て,海抜35mの断崖が10mまで削られ,GEに引き渡されて発電所の建設工事が開始された1967年の頃,地球科学では,プレートテクトニクスの仮説が登場して発展し始めた時であった。
今,仮説ではなく,実測しながら見ているプレート運動のことを,できるだけ普通の言葉で解説したい。固体地球の運動の中で,2011年東北地方太平洋沖地震の発生を位置づけ,この巨大地震の発生の仕組みと,日本列島の今後の地震活動を,5回の連載で解説したい。