日本原子力学会誌ATOMOΣ
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Print ISSN : 1882-2606
シリーズ解説
我が国の最先端原子力研究開発No.29放射線医学総合研究所(最終回) 社会基盤としての緊急被ばく医療
明石 真言蜂谷 みさを富永 隆子立崎 英夫鈴木 敏和山田 裕司
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2011 年 53 巻 5 号 p. 336-343

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抄録

 放射線被ばく事故とは,不慮(unintentional)の放射線被ばくであり,結果として有害(deleterious)な障害が現れるか,もしくはその可能性がある事象をいう。当然であるが,病院での診断および治療時の被ばくは,患者の利益のため計算された線量の範囲で,意思をもって行うものであり,制御されている限りはこの被ばく事故の範疇ではない。現代社会では,放射線の利用は不可欠であり,決して多くはないが現実に事故は起こっている。一方で,一般社会における放射線に関する知識は不十分である。放射線医学総合研究所は1954年,太平洋上ビキニ環礁で行われた米国の核実験により放射線に被ばくした第五福竜丸の事件が引き金となり,設立された。我が国の緊急被ばく医療の中心機関として,最近の取組みを紹介し,今後への展望,特にアジアへ展開にも触れたい。

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© 2011 一般社団法人 日本原子力学会
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