2011 年 53 巻 6 号 p. 387-400
今回の福島原発事故は,マグニチュード9.0の巨大地震と大津波に端を発し,複数プラントでの過酷事象が同時進行するという未曾有の大事故である。その状況はマスメディアで逐一報道され,多くの国民は原子力事故の凄まじさと放射能汚染の恐怖を身をもって味わうこととなった。原子力関係者は深層防護の観点から,いかなる災害に対しても,発電所の周辺住民に迷惑をかけないという固い決意を持って原子力発電所の安全設備を総点検すべきである。この反省の基に我が国の原子力の復興を期待する。