2012 年 54 巻 10 号 p. 672-673
原子力は,平和利用による恩恵と大量破壊兵器の脅威という相反するものを与え得るものである。このため,原子力平和利用の恩恵を享受するには,核兵器の不拡散の観点から的確な対応が求められる。NSG(Nuclear Suppliers Group:原子力供給国グループ)とは,原子力資機材や技術の輸出管理を通じて核兵器の不拡散に寄与していこうとする各国政府の集まりを指すものである。本稿では,このNSG発足の経緯や制度の概要,最近の動向等について概説することとしたい。(本稿における見解は,筆者個人のものであり,日本国政府や筆者が所属する組織のものではない。)