2013 年 55 巻 2 号 p. 106-110
「参考レベル」を用いた放射線防護の最適化は,事故後の汚染地域の復興において重要である。放射線の健康リスクと社会的・経済的な影響とのバランスを考えながら,汚染の状況を見極めて段階的に平時を目指していく必要がある。本稿では,国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告する「参考レベル」の考え方について解説する。そして,福島第一原子力発電所事故後に講じられた「除染スクリーニング基準」「食品の暫定規制値と新基準値」「放射性物質による汚染物の管理基準」の3例を取り上げ,段階的な参考レベルの適用について考察する。