2016 年 58 巻 3 号 p. 182-183
リスク低減のための東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置においては,人が近づけない高放射線環境の中で調査し,作業することが求められており,ロボット技術を活用した遠隔作業しか解決手段がないのが現状である。現在,高放射線環境における廃炉作業を実現するために,ロボット技術を活用した多種多様な遠隔操作機器の研究開発が進められている。最新の廃炉ロボット技術開発として,作業員の被ばく線量低減を目指した原子炉建屋の屋内用遠隔除染装置と,アクセスが困難な原子炉格納容器の内部状況把握を目指した遠隔操縦型調査装置の開発状況を紹介するとともに,廃炉ロボット開発の難しさについて議論する。