2016 年 58 巻 6 号 p. 345-349
日米両国で,市場メカニズムに価格設定と資源配分を委ねるとともに,低炭素電力システムへの移行を積極的に進める努力がなされている。これらの目標を効率的に達成するため,非化石電源であると同時に資本集約的でもある原子力と再生可能エネルギーを主要な電源として共生させていくことが想定される。しかし,それには発電システムと電力市場における技術的,制度的イノベーションが必要であり,本記事ではこのような課題を体系的に示し解決策を考察した日米共同研究チームの中間報告について解説する。