2016 年 58 巻 7 号 p. 413-417
2009年に,実用軽水炉に「保全プログラム」に基づく保守管理が導入され,新検査制度がスタートした。その枠に,急遽,研究開発段階ナトリウム炉「もんじゅ」も置かれた。炉型が異なり,実績・経験が極めて限られている「もんじゅ」では,安全性確保を前提に運転経験・トラブル経験を通して,「保全プログラム」自体を研究開発しなければならない。IAEAの「日本への総合規制評価サービス(IRRS)ミッション」報告書の観点も含めて,「保全プログラム」で軽微な不備が生じる現状について説明する。また,「保全プログラム」の本来的意義の観点で,ナトリウム冷却材バンダリーの信頼性維持に注目し,「もんじゅ」主要部での保全の在り方についても述べる。