2018 年 60 巻 12 号 p. 754-758
天空にとつぜん現れ他の星々を圧倒して急激に輝きやがて消えて行く超新星。その名に反し超新星は新しい星の誕生ではなく星の終焉をかざる大爆発である。宇宙に存在する重い元素の多くはこの時合成される。われわれの世界は超新星爆発の残滓からできている。鍵を握るのは素粒子ニュートリノであり,星が進化し超新星爆発に至る道筋は原子核や核力の性質から理解できる。高度な計算機シミュレーションによりこの道筋の理解が進んでいる。中核を担うのはニュートリノ輸送計算であり,この計算は原子力における中性子輸送計算と多くを共有する。