2018 年 60 巻 7 号 p. 414-418
冷却材としてヘリウムガスを利用するガス冷却高速炉(GFR)は,正味熱効率が45%以上と高く,発電以外にもその高温熱の産業(水素製造,プロセス加熱等)利用が期待されており,また,閉燃料サイクルと組み合わせることにより,持続可能性〈ウラン資源の有効利用及び高レベル放射性廃棄物の発生量・毒性低減〉等を有するシステムとすることができるため,第4世代原子力システムの候補概念の1つとして欧米で開発が進められている。ただし,GFRはこれまで建設経験がないため,その実現のためには高中性子束下で高温・高燃焼度に耐えうる炉心燃料・材料,信頼性の高い崩壊熱除去系等の枢要技術開発が必要である。