2019 年 61 巻 2 号 p. 100-102
軽水炉の金属製の機器や構造物は運転中に繰返し荷重負荷,中性子照射,300℃前後の冷却水や蒸気などの環境に曝される。このような環境に曝された場合,疲労,中性子照射脆化,応力腐食割れ,熱時効,腐食などの経年劣化を生じる可能性がある。これらの経年劣化事象が進行すると機器・構造物の健全性が損なわれる可能性があることから,軽水炉を安全に運転するためには,経年劣化事象を適切に管理することが必要である。本稿では軽水炉における金属製の機器・構造物の経年劣化事象への対応についてまとめた。