2019 年 61 巻 2 号 p. 97-99
事業者は,原子力発電所の安全性・信頼性向上のため,きめ細かい保守管理活動を継続するとともに,長期供用に対する機器・構造物の健全性を高経年化技術評価の中で確認するなど,原子力発電所の安定した長期運転に向けた取組みを継続してきた。福島第一原子力発電所事故以降,国内の原子力発電所の大部分は長期停止が続いた状態となっているが,経年劣化の大半は適切な保管措置や取替えを含めた保守管理活動により健全な状態が維持できている。また,一部の経年劣化について,この長期停止に伴う経年劣化の影響を確認した結果,長期停止状態における機器・構造物の経年劣化は技術的な障壁となり得るものではない。