2022 年 64 巻 2 号 p. 100-104
加圧水型軽水炉(PWR)ではNi基合金が多く用いられ,今迄にNi基合金の一次系水中での応力腐食割れ(PWSCC)を多く経験した。その対策材としてTT690合金やX-750合金高温溶体化1段時効材などが開発・実用化され,問題解決が図られた。しかし,未だ多くの研究者がTT690合金は高経年化に伴い環境助長割れ感受性が増大しないか,SCCき裂進展速度が増大しないか等,懸念を抱いている。本稿ではTT690合金の高経年化に伴う環境助長割れ感受性増大等の可能性について内外の研究動向,規制当局の対応等を踏まえ論評する。