2023 年 65 巻 11 号 p. 660-665
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻(以下,ウクライナ侵攻)は,世界のエネルギー情勢に大きな影響を及ぼしている。ロシアは世界有数の化石燃料保有国だけでなく,原子炉の輸出,ウランの転換・濃縮などに世界一のシェアを持つ原子力強国でもある。このため,欧米諸国は化石燃料だけでなく原子力においても,脱ロシア依存を目指している。
一方,気候変動への対応が強まる中,ウクライナ侵攻により,脱炭素とエネルギー安全保障の両立の重要性が増し,世界は再び原子力推進へと向かおうとしている。