日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
解説
ウクライナ侵攻による原子力情勢の変化
ロシア依存からの脱却,原子力への回帰
黒田 雄二
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2023 年 65 巻 11 号 p. 660-665

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抄録

 2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻(以下,ウクライナ侵攻)は,世界のエネルギー情勢に大きな影響を及ぼしている。ロシアは世界有数の化石燃料保有国だけでなく,原子炉の輸出,ウランの転換・濃縮などに世界一のシェアを持つ原子力強国でもある。このため,欧米諸国は化石燃料だけでなく原子力においても,脱ロシア依存を目指している。

 一方,気候変動への対応が強まる中,ウクライナ侵攻により,脱炭素とエネルギー安全保障の両立の重要性が増し,世界は再び原子力推進へと向かおうとしている。

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© 2023 一般社団法人 日本原子力学会
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