日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
65 巻, 11 号
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巻頭言
時論
Perspective
解説
新刊紹介
解説
  • コロナ禍,苦境に立たされた原子力オープンスクール活動継続のために必要なこととは
    羽倉 尚人, 吉田 茂生, 掛布 智久, 岡田 往子
    2023 年 65 巻 11 号 p. 666-669
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     当学会の原子力オープンスクール(OS)という活動をご存じでしょうか?OS活動では以下の4点を意識し,特に原子力災害発生の前後での一般の方々の意識の変化を考慮し,適切な情報提供にも努めるようにしている。①子どもたちが,学ぶことの楽しさを知って科学に興味を持ち,とりわけ放射線や原子力についての正しい知識を持つこと,②体験型の企画とすること,③保護者も,子どもたちと一緒に学べる企画とすること,④毎年継続的に開催することで,放射線への理解を浸透させること。「対面・対話・密」によるコミュニケーションの中で行ってきた活動はコロナ禍において厳しい状況におかれた。それでも伝える取り組みを継続するという強い意志のもと,この3年活動を継続してきた。本稿では,2023年3月に行われた企画セッションにおける講演を紹介するとともに,セッションを通じて再確認・再共有された本活動の意義と,今後とも長く将来にわたって活動を継続していくために必要なことは何かをまとめ,本活動の理解者や協力者が増えることを期待する。

サイエンスよみもの
  • 低いエネルギーで光合成するしくみ
    小杉 真貴子, 川崎 政人, 柴田 穣
    2023 年 65 巻 11 号 p. 670-673
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     植物が行う光合成は可視光のエネルギーを利用して行われる。赤外線はエネルギーが低いため酸素発生型の光合成には利用されないと考えられてきた。しかし近年,複数の生物において赤外線の一部である遠赤色光(700~800nm)で酸素発生型光合成が可能であることが報告されている。私達はナンキョクカワノリから遠赤色光を吸収するアンテナタンパク質Pc-frLHCを精製し,クライオ電子顕微鏡によりその立体構造を明らかにした。励起子カップリングの計算から遠赤色光に吸収を持つクロロフィルを同定し,アップヒル型の励起エネルギー移動過程について推察した。生物が環境適応の過程で獲得した効率的なアップヒル型の励起エネルギー移動メカニズムから得られる知見は,将来的には産業分野における量子制御技術へ繋がるかもしれない。

報告
  • 本専門委員会の2年間の活動報告
    「福島第一原子力発電所廃炉に係る核分裂生成物挙動」研究専門委員会
    2023 年 65 巻 11 号 p. 674-679
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     本研究専門委員会(本委員会)では,東京電力ホールディングス株式会社(東電)福島第一原子力発電所(1F)事故後の核分裂生成物(FP)挙動を予測可能な技術に高めて廃炉作業に貢献することと,1F事故進展事象の把握で得られた情報をソースターム(ST)の予測技術の向上に反映させ,原子炉安全の一層の向上に繋げることを目標とした活動を実施している。この2年間では,分野毎に拡大幹事会(担当幹事と有志者)を組織し,これまでの12年間の1F実機調査や1F関連研究で得られた情報を調査し,1F廃炉における燃料デブリやFP挙動の予測,およびST予測精度向上に必要な,今後本委員会で重点的に取り組むべき技術課題を決定した。今後委員会を延長し,決定した取り組むべき技術課題の解決に向けた道筋の議論を進める。

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