2023 年 65 巻 6 号 p. 403-407
電子顕微鏡(electron microscope)は大別すると透過型(transmission - : TEM)と走査型(scanning - : SEM)の2種類あり,前者は試料を薄く加工してそれに電子線を透過させることで観察するのに対し,後者は薄膜化が不要で試料表面を電子ビームでなぞることで観察する。昔は内部を調べるときにはTEMを使うのが常識だったが,今の常識はそうではない。今と昔を対比して,電子顕微鏡で何ができるか,どのような場合にどちらを使うのが最適解かを解説する。