抄録
【はじめに】腎癌に合併した副腎腫瘍の臨床的検討を行った。【方法】対象は腎癌と副腎腫瘍を合併し,その両者の病理学的診断のついた12例で,副腎腫瘍の病理学的所見で良性群と悪性群に分類し,腫瘍の大きさ,内分泌活性の有無,原発巣の腎癌の病理学的所見を比較した。【結果】良性6例のうち,内分泌活性を認めたものは褐色細胞腫1例のみで,残りは皮質腺腫4例,囊胞1例であった。悪性6例はすべて腎癌の転移であった。副腎腫瘍の平均腫瘍径は悪性群で大きかった(良性2.2±0.3cm,悪性4.8±1.1cm,p=0.049)。原発巣である腎癌の平均腫瘍径は悪性群で大きかった(良性3.4±0.5cm,悪性9.3±1.8cm,p=0.012)。原発巣である腎癌の細胞型や異形度,浸潤形式には有意差を認めなかった。【考察】腎癌に合併した副腎腫瘍の良性悪性の鑑別は内分泌検査や画像診断の所見により高い診断精度で可能である。