日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
症例報告
著明な高Ca血症を呈し,副甲状腺癌との鑑別を要した巨大副甲状腺腺腫の1例
細田 充主松澤 文彦山本 貢田口 和典高橋 弘昌久保田 佳奈子
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2012 年 29 巻 2 号 p. 157-161

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抄録
41歳女性。健康診断で高カルシウム(Ca)血症を指摘され,原発性副甲状腺機能亢進症(pHPT)の診断で当科に紹介された。入院時血清Ca は14.9mg/dl,intact PTH(iPTH)は1,245pg/mlと著明な高値を呈していた。画像上,長径7cmの右副甲状腺腫瘤を認めた。血清Ca値,iPTH値および腫瘤の大きさから副甲状腺癌が疑われたが,画像検査で浸潤傾向が認められないため,右上もしくは右下副甲状腺腺腫によるpHPTとの術前診断で手術を施行した。副甲状腺腫瘤には,周囲組織への浸潤所見は認められず腫瘤のみを摘出した。摘出副甲状腺は14.2gであり,病理学的に副甲状腺腺腫と診断された。
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