日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
特集2
甲状腺・副甲状腺手術における術中迅速PTH測定の有用性
杉野 公則長浜 充二北川 亘渋谷 洋大桑 恵子宇留野 隆鈴木 章史赤石 純子正木 千恵松津 賢一河野 通一馬越 俊輔伊藤 公一
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2013 年 30 巻 3 号 p. 201-206

詳細
抄録
原発性副甲状腺機能亢進症のほとんどは単発性の腺腫で発症するが,わずかながら多腺病変も存在する。さらに術前画像診断による責任病巣の部位診断率も向上しているが,限界もある。これらを背景に手術成績をより確実にするものとして術中迅速PTH測定が導入され有効性も認められている。また,甲状腺全摘術後における低カルシウム血症の発症予測に周術期にPTH測定を用いることで入院期間の短縮が図られ患者のQOL向上にも貢献している。さらに永続的副甲状腺機能低下症の予防においても有用性が示唆されている。術中迅速PTH測定は海外では盛んに議論されているが,日本では導入している施設が少なく,議論されることも少ない。その有用性,問題点を紹介し,当院での取り組みも紹介する。
著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top