日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Print ISSN : 2186-9545
原著
甲状腺乳頭癌反回神経浸潤例における予後の検討
山田 光一郎田中 信三平塚 康之渡邉 佳紀
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2014 年 31 巻 1 号 p. 55-58

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抄録

甲状腺乳頭癌の多くは予後良好であるが,周囲臓器浸潤例などは高危険度とされている。浸潤臓器の中でも,反回神経は最も頻度の高い浸潤部位である。今回われわれは甲状腺乳頭癌のうち原発巣が反回神経に浸潤していた49例について検討した。10年の粗生存率および疾患特異的生存率は,それぞれ69.0%,86.1%であった。初診時遠隔転移,反回神経以外の他臓器への浸潤(神経を含む複数臓器への浸潤)が予後と有意に相関していた。複数臓器への浸潤例では,初診時遠隔転移を認めなくても,術後遠隔転移出現率が高く,甲状腺全摘術+術後放射性ヨード治療の適応と考えられた。一方,反回神経単独への浸潤例については,予後が比較的良好である可能性もあり,甲状腺全摘術+術後放射性ヨード治療の適応とするかどうかは,今後のさらなる検討が必要であると考えた。

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