2017 年 34 巻 1 号 p. 32-36
甲状腺髄様癌の診断に血清カルシトニン測定は有用な検査である。しかし,わが国では欧米で使用している高感度キットが認められず,感度,特異度が劣っているカルシトニン測定キット(カルシトニンRIA「エルエスアイM」)が使用され続けてきた。今回,国際標準品IRP WHO Reference Standard 89/620に準拠したヒト・カルシトニン(hCT)測定キット“エクルーシス試薬カルシトニン”(Roche Diagnostics GmbH社)が開発され使用ができるようになった。
本測定キットは欧米で使用されている測定キットと同様に高感度であり,また,RI施設を必要としないNon-RIA化された電気化学発光免疫測定法(ECLIA)を用いたサンドイッチイムノアッセイで,18分での迅速測定が可能である。
今後,わが国の血清カルシトニン測定の主流になっていくものと考えられる。