2019 年 36 巻 1 号 p. 2-7
「診療ガイドライン作成の手引き2014」を参照して作成して「甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版」が完成した。本稿では,益と害のアウトカムに注目して本ガイドラインの作成方法について概説する。
臨床上の重要課題を,疫学,診断・非手術的管理,組織型別治療方針,放射線治療,分化癌進行例,術後治療,分子標的薬治療の領域に分け,44のCQ を益と害の両方を考慮して選定した。初版以降2014 年2月までPubMed,医中誌 WEB,およびCochrane Libraryを検索し,最終的に採用された論文はについてエビデンスの内的・外的妥当性を吟味し,「強く推奨する」,「弱く推奨する」と推奨を提示した。
今後,本ガイドラインの普及による診療の標準化と甲状腺腫瘍患者の健康アウトカムの評価が計画されており,作成グループは作業を継続して普及啓発を促進することが望ましいと考える。