日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
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Print ISSN : 2186-9545
特集1
Patient-reported outcome(PRO)データの解析
樋之津 史郎
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2019 年 36 巻 4 号 p. 198-201

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抄録

FDAでは臨床研究のアウトカム評価(Clinical Outcome Assessment)を以下の様に定義している。「A COA is any assessment that may be influenced by human choices, judgment, or motivation and may support either direct or indirect evidence of treatment benefit.」である。また,COAは4つの要素から構成されており,それらの要素は,Patient-reported outcome (PRO),Clinician-reported outcome (CliRO),Observer-reported outcome (ObsRO)とPerformance outcome (PrefO)である。

PROの一つとしてHealth-related quality of life (HROLあるいはHRQOL)がある。近年,医療経済的視点での癌診療評価にQuality-adjusted Life Year (QALY)という概念が導入され,QALYの計算にはEQ-5DなどのQOL調査票を用いて得られたQOLの評価が必須である。

しかしながら,QOL評価に対して,生存/死亡のようなハードエンドポイントではないことから,「不確実な測定値」というイメージを持っている臨床医も少なからず存在する。

そこで,臨床医のPROやQOLに対する理解を助けることを目的としてQOL調査票作成プロセスについて概説した。今後PROを取り入れた臨床研究計画の際に役立つことを期待している。

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