2020 年 37 巻 1 号 p. 2-6
頭頸部には咀嚼・嚥下・発声・味覚・聴覚など社会生活を送る上で重要な機能が集中しており,また顔面・頸部という露出した部位が関わるため,口腔などのnatural orificeや小さな皮膚切開から低侵襲治療を行えるロボット支援手術は,頭頸部外科領域と相性の良い手術法である。頭頸部外科領域におけるロボット支援手術は咽頭がん・喉頭がんを主対象とした経口的ロボット支援手術と甲状腺がんを主対象としたロボット支援下甲状腺手術・頸部手術に大別される。経口的ロボット支援手術は先進医療Bが実施されて2018年に薬機法上の適応となり,関連学会によって手術実施における指針や教育プログラムが整備された。現在は保険収載を目標と下取り組みが学会として実施されている。一方,甲状腺領域はda Vinci surgical systemの適応外であり,今後国内でのエビデンスが蓄積されて薬機法上の適応取得並びに保険収載に繋がることが期待される。