2020 年 37 巻 2 号 p. 131-135
現在,甲状腺癌において本邦で承認されている分子標的薬は,Lenvatinib,Sorafenib,Vandetanibの3種類である。海外では,他の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を用いた治験,臨床試験が数々行われており,本邦の参画も望まれる。2019年6月,がん患者の複数の遺伝子変異を一括して検出できる遺伝子パネル検査の保険収載が承認された。各薬剤で病勢進行後の個別化医療につながる点で,再発転移甲状腺癌にも期待される。よって,今後,これまで以上のチーム医療が必要となる。
本稿では,同対象に対する薬物療法の現状,今後の治療戦略について,腫瘍内科の立場より考察する。