日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
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特集2
「特集2.甲状腺癌の手術手技(特に,反回神経周囲の操作,副甲状腺やベリー靭帯周囲の操作)」によせて
森谷 季吉
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2021 年 38 巻 2 号 p. 86

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今回の特集は,「甲状腺癌の手術手技(特に,反回神経周囲の操作,副甲状腺やベリー靭帯周囲の操作)」を企画させていただきました。これまで毎号内分泌外科に関する多彩な特集を読ませていただき,特に編集員会の副委員長を拝命してからは,出版前の校正で,すべての項目を読ませていただいています。その中でも特集記事は,企画の段階から熟考されており,執筆者もその分野のエキスパートの先生方で,学術的にも深く掘り下げられ,非常に勉強になり実臨床にも即した内容ばかりです。

特集を企画するにあたり,以前より頭の片隅にあったことですが,この学会は外科系学会ですので,手術手技を特集してもよいのではないかと考えていました。実際に1984年の第1巻からの特集内容をみましても,上皮小体の外科(第1巻2号,1984年),内分泌外科の内視鏡下手術(第16巻4号,1999年),甲状腺手術後の音声改善外科(第33巻4号,2016年)など外科的な内容の特集はありますが,手術手技に特化したものはありませんでした。また甲状腺手術関連になりますが,学会などでは局所進行癌や再発癌の手術についてのシンポジウムやパネルディスカッションはよく企画されていますが,基本的な手技,特に反回神経の取り扱いや副甲状腺の温存,またベリー靭帯周囲の操作については,私の知る限りではなかったように思います。また手術書にも詳細な記載はありません。しかし,この反回神経や副甲状腺の取り扱い,特にBerry靭帯周囲の手術操作は,甲状腺や副甲状腺外科手術では基本的な手技とされますが,この部分の操作が術後機能(手術合併症を含む)や癌の再発(予後)を左右するといっても過言ではなく,甲状腺・副甲状腺手術の一つの山場といえます。

今回,4名のエキスパートの先生方に執筆をお願いしました。甲状腺外科に非常に精通された先生方ばかりですので,それぞれの先生の手術コンセプトや手術哲学を学ぶことができると思います。現在またはこれから手術を学ばれる若手医師の教科書として,またわれわれ自身の手技の振り返りにも活用いただけると思います。

 

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