2025 年 67 巻 1 号 p. 49-70
関西では約7万本のボーリングデータを収録した「関西圏地盤情報データベース(関西圏DB)」が整備されており,地域の地盤特性に関する多くの研究や実務に利活用されてきた。本研究では,再生可能エネルギーの普及促進事業の一環として,関西圏DBを利活用して構築した地盤モデルをもとに,帯水層蓄熱システム(ATES)の概算利用可能熱量(賦存量)と導入コストを算出して250 mメッシュのマップとして公開した。ボーリングデータベースは関西以外の地域でも整備されているため,地中熱利用の普及促進への活用が期待される。地域の地盤特性を把握し,産官学が連携して,地域に根差した地中熱利用を推進していくことが重要である。