地下水学会誌
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自然水理系の流体・熱移動統合モデリングの試みその1.流体・熱移動の新しい定式化と実験的検討
登坂 博行伊藤 彰田中 将希岩井 卓
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1999 年 41 巻 3 号 p. 147-158

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抄録

著者らは.自然水理系における流体流動と熱移動現象を統合的に取り扱うモデル化手法の開発を試みた.本論では.水理系を2成分2相流体と固相岩石の作る系として一般化し.地表および地下における流体流動.地下における流体と岩石の熱交換.地表・地下における流体同士の熱交換.太陽輻射の影響.顕熱・潜熱移動を考慮したモデル化を行っている.特に.流体と岩石の熱交換に関しては.非定常熱伝導の理論解を利用することで.割れ目系媒体と多孔質媒体の双方への適用を図っている.以上の現象を含む系の支配方程式を.地表と地下では異なる未知量の組み合わせで解きながら実用的スケールで水理現象を追跡できるシミュレーションプログラムの開発を行った.また.岩石・流体熱交換の定式化の妥当性を検討するため.割れ目系媒体を模した実験室実験を行い.測定結果と計算結果の良い一致を見出した.

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