地下水学会誌
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多孔質媒体の屈曲度の計算のための2次元ランダムウォークプログラム
渡辺 慶規中島 善人
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2001 年 43 巻 1 号 p. 13-22

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抄録
多孔質な岩石や堆積物の空隙構造の屈曲度を計算するための.Mathematica Version4用ランダムウォークプログラムRW2D.mを開発した.多孔質媒体の空隙構造の2次元画像データ(テキストファイル)を読み込んで.画像の中央近辺から.ランダムウォーカーが固体部分を避けながら空隙に沿って拡散する.平均二乗変位を時間の函数としてテキストファイルに出力し.また.ランダムウォークの軌跡も画面上に表示する.空隙率100%の系でのランダムウォーク結果と比較することによって.その多孔質媒体の屈曲度を計算できる.本プログラムを使用すれば.時間のかかる拡散実験をしなくても.空隙構造の画像データを用いて屈曲度を短時間で計算できる.ただし.本プログラムは.多孔質媒体の空隙構造が等方的で.かつ固体表面と拡散物質との化学的相互作用(たとえば吸着)が無視でき.そして画像データに空隙のバックボーン・クラスターが含まれている場合にのみ正しく屈曲度を計算できる.なお.このプログラムリストは.インターネットで無料公開されている.
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© 公益社団法人 日本地下水学会
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