抄録
1,1,1-トリクロロエタン(TCA)及びトルエンのガラスビーズ層内での二次元移動現象を観察した.特に.不飽和帯と地下水面付近での両液体の挙動を.残余飽和度分布.揮発.溶解現象を考慮して検討した.物質収支の結果としては.注入量50mLの場合.21~24%のTCAが揮発し.0.4~2%が溶解し.そして75%が原液としてビーズ層内に存在した.一方.トルエンの場合は5%が揮発し.0.02~0.2%が溶解し.そして95%が原液として存在した.地下水面上に存在するTCAは.30~48%に達したが.地下水面上方でのTCAの横への広がりは小さく無視できることが分かった.また.地下水面が下降する時にトルエンの高飽和度領域が.下流方向へ移動することが分かった.