地下水学会誌
Online ISSN : 2185-5943
Print ISSN : 0913-4182
ISSN-L : 0913-4182
不飽和・飽和多孔体中における難水溶性有機化合物原液の二次元移動と分布に関する実験的研究
石井 一英古市 徹田中 信壽
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 43 巻 3 号 p. 171-188

詳細
抄録
1,1,1-トリクロロエタン(TCA)及びトルエンのガラスビーズ層内での二次元移動現象を観察した.特に.不飽和帯と地下水面付近での両液体の挙動を.残余飽和度分布.揮発.溶解現象を考慮して検討した.物質収支の結果としては.注入量50mLの場合.21~24%のTCAが揮発し.0.4~2%が溶解し.そして75%が原液としてビーズ層内に存在した.一方.トルエンの場合は5%が揮発し.0.02~0.2%が溶解し.そして95%が原液として存在した.地下水面上に存在するTCAは.30~48%に達したが.地下水面上方でのTCAの横への広がりは小さく無視できることが分かった.また.地下水面が下降する時にトルエンの高飽和度領域が.下流方向へ移動することが分かった.
著者関連情報
© 公益社団法人 日本地下水学会
前の記事 次の記事
feedback
Top