老年看護学
Online ISSN : 2432-0811
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介護施設で生活する高齢者の排便障害の実態とその要因
陶山 啓子加藤 基子赤松 公子西田 佳世
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キーワード: 高齢者, 便秘, 下痢, 下剤, 介護施設
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2006 年 10 巻 2 号 p. 34-40

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抄録
介護施設で生活する高齢者の排便障害および排便を促す対処方法の実態を明らかにすること,さらに,下剤内服者の下痢症状に関連する要因を探索することを目的に調査を実施した.対象は,介護療養型医療施設の入院患者と介護老人保健施設の入所者計278名であった.下剤を内服する者がほほ8割を占める一方で,下痢症状がある者が4割を占めた.排便を促す対処方法は,下剤の内服以外はあまり実施されておらず,下剤に依存した対処方法が明らかとなった.下剤の内服は,下痢症状の出現に関連しており,下剤を内服して下痢がある者は便秘症状が軽減していない傾向が示された.下剤服用者の下痢症状は,機械的下剤の内服,便意がないこと,座位能力が低いこととの関連が認められ,適切な排便行動がとれない高齢者に対する排便援助方法や下剤の使用方法を検討する必要性が示唆された.
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