老年看護学
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都市部介護老人保健施設における終末期ケアについての意識調査 : 看護職と介護職の比較
織井 優貴子
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2006 年 10 巻 2 号 p. 85-91

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抄録
本研究の目的は,家庭復帰を目指すための中間施設と位置づけられている介護老人保健施設に勤務する看護職・介護職の終末期ケアについての意識を比較することである.2003年9月,A県都市部の介護老人保健施設13施設に勤務する看護職・介護職を対象に調査を行った.老健施設での終末期ケアは看護職52.8%,介護職48.3%がその必要性を感じており,両職種における有意差は認められなかった.終末期ケアの認識では,「バイタルサインの測定」「苦痛の緩和」「コミュニケーション」「環境整備」等で職種別に有意な関連性が認められた(x2検定).看護職・介護職とも終末期ケアの必要性を感じていたが,老優施設の法的な位置づけ,異なる教育背景が終末期ケアの考えに影響を与えることが示唆された.老健施設で終末期ケアの入所者を受け入れるための体制整備として終末期医療が行える体制作りと看護職・介護職に対する教育,研修の必要性が示唆された.
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