老年看護学
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3世代同居の高齢2型糖尿病患者の自己管理
小泉 由美
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2008 年 12 巻 2 号 p. 44-51

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抄録

看護師が3世代同居の高齢糖尿病患者の療養生活をイメージでき,暮らしを踏まえた糖尿病教育への示唆を得るために,高齢者がどのような価値観,慣習,生活様式で糖尿病の自己管理を行っているかを明らかにすることを目的にLeiningerの民族看護学を用いて質的記述的研究を行った.主要情報提供者は外来通院中の高齢2型糖尿病患者11名である.結果,5つのテーマおよび大テーマ「3世代同居の高齢糖尿病患者は,今の暮らしを継続させたいという強い思いを原動力にして,糖尿病の療養に取り組んでいる」を引き出した.自分たちが3世代での暮らしを成り立たせているという誇りがあるがゆえに,今の暮らしを継続させたい思いが,主体的な糖尿病の療養行動の原動力となっていた.糖尿病教育の際には,高齢糖尿病患者の療養に取り組む思いや力を尊重し,それを活かす方向での関わりが求められると示唆された.

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