老年看護学
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高齢者訪問看護質指標(認知症ケア)の開発 : 訪問看護師の自己評価からの検討
山本 則子藤田 淳子篠原 裕子園田 芳美伴 真由美金川 克子石垣 和子
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2008 年 12 巻 2 号 p. 52-59

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抄録

私達は高齢者訪問看護認知症ケア質指標を開発し,実務者による自己評価を基に修正を試みてきた.本研究では,修正版質指標を用いてA県の訪問看護師を対象に調査を実施し質指標としての適用可能性を検討した.48の認知症ケア質指標に4件法で自己評価を得た.255件の回答を得て,指標ごとの回答傾向を検討し,合計得点の分布や属性との関連を検討した.最も実施程度の高い指標は「急がせない聞き取り」で,「視聴覚・理解力への配慮」「心身の異常の早期発見」も高かった.最も実施程度の低い指標は「地域住民への働きかけ」で,「家族の情報交換への支援」「初期からの関わり」も低かった.合計得点は年齢および看護経験年数,訪問看護経験年数と弱いが有意な正の相関を示し,0.3以上の相関係数を示す指標は訪問看護経験年数が最も多かった.以上の結果は本質指標の現場での適用可能性を示唆していると考える.質指標は今後妥当性や有用性の検討が必要である.

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