本研究は、看護学生が「将来高齢者を看護する職場で働きたい」とする意志に関連する要因を探ることを目的にした,自記式質問紙を用いた集合調査である.対象は,卒業を間近にした看護学校の3年生で,すべての授業および臨地実習を終了した時点の240名である.「将来高齢者を対象とした職場で働きたい」とする意志に影響した要因は,「臨地実習を通じて高齢者への理解が深化したこと」,「エイジズム傾向が弱いこと」であり,「祖父母によく世話を受けた経験があること」,「臨地実習で高齢者とコミュニケーションが成立したこと」が関連要因であった.臨地実習で高齢者理解を深める指導,エイジズムを弱める教育により,看護学生に将来の高齢者看護への選択を促すことが可能であるという示唆を得た.