老年看護学
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明確な意思表示のできない終末期高齢者と家族のターミナルケアにおける意思決定に関する訪問看護支援
園田 芳美石垣 和子
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2009 年 13 巻 2 号 p. 72-79

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抄録

本研究は,明確な意思表示のできない終末期高齢者とその家族のターミナルケアにおける意思決定に関する訪問看護支援を明らかにすることを目的とした.対象は,訪問看護師9名で,半構成的面接により語られた12事例を質的帰納的に分析した.訪問看護師は,(1)【不確かな状況に翻弄される家族の思いを察知し】,(2)【家族の看取り方に歩調を合わせ】,(3)【明確な意思表示のできない終末期高齢者の望む生活を推断する】ことや(4)【明確な意思表示のできない終末期高齢者の意思を推し量り,代理となって家族に働きかける】,(5)【よりよいと訪問看護師が考える看取り方を家族に働きかける】,(6)【終末期高齢者の状態を家族と確かめ合う】ことを行い,医療や介護方法,療養の場の選択について家族と話し合っていた.高齢者の終末期では,家族の意向が優先される傾向にあるが,よりよい支援になるよう,看護師はアセスメントしたことを家族に伝え,話し合うことが重要である.

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