老年看護学
Online ISSN : 2432-0811
Print ISSN : 1346-9665
老年看護学教育における模擬患者導入の臨地実習への影響
古村 美津代木室 知子中島 洋子
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 13 巻 2 号 p. 80-86

詳細
抄録

模擬患者を活用した演習の学びが老年看護学実習にどのように影響しているかを明らかにし,老年看護学に模擬患者を導入する意義について検討した.学生は,老年看護学実習前に模擬患者の演習の中から,高齢者の身体的特徴や高齢者の想い,高齢者独自の生き方を想起し,高齢者と接する態度や対象者の把握,個別のケアや自己決定への支援の課題を明確にした.その結果,老年看護学実習において学生は,模擬患者との場面と受け持ち患者とを対比しながらコミュニケーションの方法を工夫することや高齢者を尊重した態度の実践につなげることができ,高齢者との信頼関係の構築につながり,高齢者の個別に応じた看護や自己決定への支援に役立ったことが示唆された.これらのことより,老年看護学教育において模擬患者を導入した演習は,老年看護学実習に影響していることが明らかとなり,老年看護学に模擬患者を導入する意義が確認できた.

著者関連情報
© 2009 一般社団法人日本老年看護学会 掲載内容の無断転載を禁じます
前の記事 次の記事
feedback
Top