老年看護学
Online ISSN : 2432-0811
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認知症高齢者の女性介護者に対する家族介護者間交流プログラムの効果
菅沼 真由美新田 静江
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2014 年 19 巻 1 号 p. 81-90

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抄録

目的:地域包括支援センターにおいて,認知症高齢者の女性介護者が相互に交流する家族介護者間交流プログラム(介入プログラム)の効果を検証した.方法:対象者は,自治体ごとの高齢化率と介護者交流会の有無を参考に,介入群(4自治体,22名)と対照群(4自治体,32名)に割りつけた.文献をもとに構成した先輩介護者からの情報提供,参加者間の意見交換,専門職からの教育という介入プログラムを, 1回90分,月1・2回開催し,1か月後と3か月後における介護負担感,精神的健康度, QOL(生活の質)の変化を比較した.結果:介入群と対照群の続柄が均質ではないものの,介入群における介入1か月後の介護負担感の軽減と精神的健康度の改善がみられたが, 3か月後には変化がなかった.考察:地域包括支援センターで実施する介入プログラムにおける共感的な関係の形成と感情の分かち合いは,介護負担感と精神的健康度の短期間の改善効果をもたらし,専門職とほかの介護者からの実際的な支援が得られる可能性が示唆された.

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