老年看護学
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認知症高齢者の血液透析導入後の生活を支える家族の体験
立原 怜原 祥子小野 光美
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2019 年 23 巻 2 号 p. 75-83

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抄録

 本研究の目的は,認知症高齢者の血液透析導入後の生活を支える家族がどのような体験をしているかを明らかにすることである.血液透析に通う認知症高齢者の家族7人を対象に半構成的面接を実施し,質的記述的に分析した.その結果,【忘れてしまう注意点に配慮する】【透析を受けることの難しさにつきあう】【透析導入前からの楽しむ力を維持する】【言葉で表せない透析による身体の不調を察し対応する】【葛藤した透析の導入を前向きにとらえられる】の5つのカテゴリーが抽出された.家族は,認知症高齢者の言動に苦心しながらも,その人に合わせた日常生活や体調の管理,透析を受ける手助けをしていることが明らかになった.看護者は,できる限り早期に,家族が認知症高齢者との生活を整えられるよう支援することが必要と考える.また,認知症高齢者のもつ力を尊重している家族を認め,透析の導入を肯定的に受け止められるように関わることが大切と考える.

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