老年看護学
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Print ISSN : 1346-9665
実践報告
高齢者の終末期医療や老衰死についての看護学生の認識
長尾 匡子山本 裕子
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2020 年 25 巻 1 号 p. 132-138

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抄録

 2年次看護学生に老衰死を題材にした視聴覚教材を用いた授業を行い,高齢者の終末期医療や老衰死についての学生の認識を明らかにした.研究協力に同意した10人の学生の授業後課題レポート記載内容を分析した結果,【だれかに看取られて逝くことが望ましい】【老衰で逝くことが望ましい】【高齢者の意思が尊重されて迎える死が望ましい】【医療技術の発達が新たな苦悩や疑問を生む】【医療も人も死と向き合う成熟さが必要である】【高齢者と家族が話し合うことが重要である】【最善の死が迎えられるように看護師は高齢者・家族に関わる】という7つのカテゴリーを生成した.学生は,老衰死が家族との関係性のなかで生じる死であること,看護師は最善の死が迎えられるように高齢者・家族に関わる必要性があると認識していた.死生観の醸成や,高齢者・家族に寄り添った生死に関わるコミュニケーションの教育方法を検討する必要性などの示唆を得た.

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