老年看護学
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実践報告
尿失禁がある重度認知症高齢者への超音波支援排尿誘導(USAPV)の実践報告
瀧本 まどか谷口 珠実
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2021 年 25 巻 2 号 p. 140-146

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抄録

 今回,重度アルツハイマー型認知症があり,尿意や尿失禁を訴えず,排泄介助を払いのける動作が認められる90歳代女性入院患者に対し,膀胱用超音波画像診断装置リリアムα–200®(以下,リリアム)を用いて下部尿路機能評価と超音波支援排尿誘導(USAPV)を実践し,トイレで排尿ができた成功事例を報告する.USAPVの方法は,膀胱内尿量を24時間連続計測し,下部尿路機能評価および最大膀胱内尿量の75%を目安に排尿誘導を行い,排尿誘導の看護実践内容と対象者の反応を記述した.リリアム装着中は,プローブや本体を気にする様子はみられず,3回中2回はトイレで排尿ができた.下部尿路機能は,24時間尿量1,832 ml,排尿回数7回,平均1回尿量262 ml,残尿量21 mlであった.排泄介助を拒む重度認知症患者であっても,リリアムを用いて下部尿路機能評価とUSAPV実施によりトイレで排尿ができることが示された.

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