老年看護学
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実践報告
認知症ケア加算2施設基準対応研修の修了者が病棟看護師に働きかけている内容と病棟看護師から感じられる変化
齊田 綾子梅原 里実
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2021 年 26 巻 1 号 p. 131-138

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抄録

 本研究は,認知症ケア加算2施設基準対応研修の修了者(以下,研修修了者)が病棟看護師に働きかけている内容と,病棟看護師から感じられる認知症ケアの変化を明らかにすることを目的とした.A病院の病棟に配属されている研修修了者7人を対象にグループインタビュー調査を行い,Berelsonの内容分析を行った.結果,研修修了者は,病棟看護師に《病棟看護師間の情報共有や話し合いの機会づくり》《認知症ケアの提案・助言と記録》《認知症患者の看護計画立案と計画内容の助言》《認知症の症状に応じた療養環境の調整》《身体拘束の低減》を働きかけていた.そしてそれらの働きかけにより,《認知症患者へ対応するスキルの向上》《認知症ケアの提案や助言を受け入れる姿勢》《認知症ケアに取り組む意識の変化》《病棟の看護師みなで協力し合う姿勢》《認知症患者個別の看護計画立案》《認知症患者のケア評価と振り返り》《認知症者が困らないような環境の整え》《認知症者をひとりの人としてみる》《身体拘束をすることへの違和感》を病棟看護師の認知症ケアの変化として感じ取っていた.

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