老年看護学
Online ISSN : 2432-0811
Print ISSN : 1346-9665
実践報告
分散型実習による老年看護学実習Ⅰの学生の学びと課題
学生記録からの学生の学びと実習施設との課題
矢萩 実幸
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 28 巻 1 号 p. 109-116

詳細
抄録

 本研究の目的はA大学で行われた2年次の老年看護学実習Ⅰ(2単位)で,新たな試みである分散型実習において学生の学びを明らかにするとともに,実習形態が臨地実習指導者の指導にどのような影響があったのか,明らかにすることである.対象となった学生は97人であり,学生の「1日の実習記録」から実習目標に沿った学習内容を分析した.その結果14のカテゴリーと61のサブカテゴリーが得られた.学生は長期間にわたる実習で季節を感じての高齢者の生活や,多職種連携・多職種協働の大切さに気づくことができた.

 臨地実習指導者を対象とした調査結果では,分散型実習であることで学生の動きが把握しにくい,学生によって事前学習に差があるので指導に影響をおよぼした,日数を要するため受け入れが難しいなどの課題があげられた.課題の改善には臨地実習指導者と教員の連携が有効であり,実習日以外の学生の学習のあり方を検討することがあげられた.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人日本老年看護学会 掲載内容の無断転載を禁じます
前の記事 次の記事
feedback
Top