老年看護学
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介護老人保健施設に勤務する看護職のワーク・エンゲイジメントに影響を与える役割認識
東北地方2県の調査結果
祥雲 直樹
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2023 年 28 巻 1 号 p. 80-88

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抄録

 介護老人保健施設の看護職(以下,老健看護職)の離職を防止し職場継続を推進するワーク・エンゲイジメントを高めるため,老健看護職のワーク・エンゲイジメントに影響を与える看護職の役割認識(介護老人保健施設に勤務する看護職の役割と認識)を明らかにすることを目的に調査を実施した.

 東北地方2県の老健に勤務する看護職を対象に郵送による質問紙調査を行い,198部(有効回答率97.5%)を分析対象とした.ワーク・エンゲイジメントの高さと有意な関連がみられたのは,年齢が高いこと(r=0.137, p=0.035),職場継続意思があること(r=0.238, p<0.001)と,看護職の役割認識のうち<老健施設に従事する看護者としての心構え>(r=0.205, p=0.013),<高齢者の尊厳を守る関わり>(r=0.209, p=0.013)であった.

 老健で働く看護職は,高齢者の尊厳を尊重すること,その生活に寄り添った看護を提供するという役割を認識することで,看護職自身のワーク・エンゲイジメントを向上させることができる可能性があることが示唆された.

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