老年看護学
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阪神・淡路大震災被災高齢者の語りにみる生活力量形成過程と影響要因 : 恒久住宅に住む一人暮らし高齢者を対象に
中山 貴美子
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2003 年 7 巻 2 号 p. 105-115

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抄録
本研究の目的は,恒久住宅で一人暮らしをしている阪神・淡路大震災の被災高齢者の生活力量の形成過程と,それに影響する要因を明らかにすることである.被災高齢者10名を対象に半構造化面接を行い,質的・帰納的方法にて分析を行った.その結果,被災高齢者の生活力量形成過程は,他者の支援利用段階,隣人支えあい段階,地域貢献段階の3段階がみられた.生活力量形成に影響した要因は,社会資源の存在,助け合える隣人・友人の存在,助け合える家族の存在,住居等の生活環境,情報の存在の5つであった.被災高齢者の生活力量形成過程とは,被災高齢者が自分の置かれた状況に気づき,隣人同士で助け合い,地域の問題にかかわっていく過程と定義できた.
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